梅雨が明けて本格的に暑くなり、水温が上がりきってしまう真夏のシーズンは、意外とターゲットが少なくなってしまう時期でもあります。
そんな中、チヌは真夏の高水温にも負けず、餌釣りでもルアー釣りでも様々な方法で狙え、活性も下がるどころかむしろ上がるぐらいの貴重なターゲットと言えます。
ルアーでも様々な方法で狙えるチヌですが、夏の時期は特にトップウォータールアーへの反応が良く、いわゆる”チヌトップ”がもっとも楽しめる時期でもあります。
今回はそんなチヌトップの基本的な釣り方やポイント、おすすめタックルを紹介したいと思います。
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目次
トップウォータープラグに反応するチヌは主に2種類
ボトムを探るとへダイなんかも反応してくるのですが、トップウォータールアーに反応してくるのは基本的に「クロダイ」と「キビレ」の二種類です。
生息エリアやトップウォータールアーへの反応の仕方、またサイズなども少し異なるので簡単に解説します。
クロダイ(マチヌ)
マチヌとも呼ばれているクロダイは、基本的にキビレよりも大型化するので、50cmオーバー、いわゆる”年無し”と呼ばれるサイズのほとんどがクロダイです。
またポイントにもよりますが、そもそもクロダイの方が数が多い場合が多く、生息エリアもキビレに比べて幅広いことから、この釣りでもメインターゲットとなるのがクロダイです。
バイトの出方は次に紹介するキビレに比べて大人しい場合が多く、ゆっくりとルアーをチェイスしてきて、チュポッ!と吸い込むようなバイトが多いです。
キビレ
その名の通り、黄色いヒレが特徴です。
クロダイに比べてサイズは小さいのですが、バイトの出方がクロダイに比べて派手で、引きもパワフルなのが特徴です。
生息エリアはクロダイに比べて少し狭く、都市型河川や干潟エリアには多いのですが、河川の上流部や外海に面したゴロタ場などではクロダイに比べて数が少なくなります。
チヌトップウォーターゲームのシーズンについて
夏場がハイシーズンとされており、ポイントにもよりますが、水温の高い5月〜10月ぐらいまでが一般的にシーズンとされています。
また基本的に太陽の影響で水温が上がりやすいシャローでの釣りがメインなので、3月ごろでも天気が良く気温の高い日が数日続けば、トップウォータールアーに反応してくることも多いです。
真夏のハイシーズンですが、ポイントによっては、水温が上がりすぎたり、赤潮が発生したりして活性が下がったりもするので注意が必要。
いつもよく釣れているポイントで赤潮などが発生して、どうにもこうにも反応が得られない場合は、河川の上流部や、外海に面した潮通しのいいゴロタ場など少しでも水温の低いエリアに移動して竿を出してみましょう。
チヌトップウォーターゲームの釣れる時間帯は?
他の魚と同じく、朝夕のマヅメ時にバイトが増える傾向にあります。
特に水温の高い夏場、日が出て間もない早朝は1日の中で最も水温が低い時間帯ですので、活性の高い個体が狙える場合が多いです。
ただ春先などシーズン初期の場合、早朝は水温が低すぎるために活性が低い場合も多く、反対に真昼間の一番暖かい時間に高活性な場合が多いです。
このように必ずマヅメ時が良く釣れるという訳でもありません。
チヌトップウォーターゲームのポイントについて
チヌは本当にいろんなエリアに生息しており「磯、サーフ、防波堤、河川」など、あらゆるエリアで釣ることが可能です。
ここではトップウォーターで釣る場合に適したフィールドをいくつかの航空写真を例にして紹介しようと思います。
チヌトップポイント①「干潟」
河川の河口部にある干潟など、水深の浅いエリアが続く干潟はチヌのトップウォーターゲームに適した環境です。
また干潟といっても大規模な干潟だけではなく、画像のように小さな河川の河口部など、範囲は小さいですが部分的に潟になっているエリアも多いです。
これらは全て規模の大きさに関わらず、チヌのトップウォーターゲームに非常に適したフィールドになります。
干潟で釣りをする際、規模にもよりますが、ウェーディングが基本のスタイルになります。
夏場安物のウェーダーだとかなり暑いので、水が綺麗な場合はクロックスなどのサンダルに海パンで立ち込むと、涼しくて快適です。
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チヌトップポイント②「ゴロタ場」
ゴロタ場エリアもチヌ釣りにおける有益なポイントの一つです。
真夏に干潟や港湾部で高水温によって活性が下がってしまっている場合でも、画像のように外海に面したゴロタ場ならいくらか水温が低くてましな場合が多いです。
基本的に干潟と同じウェーディングスタイルで狙うのですが、砂地で何もない干潟と違って、ゴロタやフジツボなどの貝類で怪我をする可能性があるので注意が必要です。
少し暑くても、サンダルでのウェーディングは避けた方が無難でしょう。
また障害物が多い分、魚をかけてからもラインブレイクの確率が上がるので、選択が可能であれば少し強めのタックルを用いましょう。
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チヌトップポイント③「港湾部」
港湾部の場合は水深にもよりますが、干潟やゴロタ場と違い、主に桟橋や橋脚、岸壁やテトラ帯などのストラクチャーなどについた魚を狙うのがメインになります。
必然的にある程度キャストの精度が必要になってきます。
またウェーダーは必要なく、スニーカーでOKなのですが、干潟やゴロタ場で釣りをする際は不要なランディングネットが必要になってきます。
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チヌトップウォーターゲームに用いるタックル
専用タックルは必要ありません
最近ではチヌ専用のタックルも充実されてますが、無ければバスタックルやメバルタックル、シーバスタックルなど、10g前後のトップウォータープラグがキャストできるタックルで代用すればOKです。
基本的にはヘビータックルよりもライトタックルの方が、軽量ルアーの飛距離が出しやすく、バイトも乗せやすいなど、メリットが多いです。
尺メバル用のタックルにPE0.6号ぐらいの組みわせぐらいがちょうどいい頃合いです。
もちろんラインブレイクの確率が上がってしまう、細すぎるラインの使用などは避けましょう。
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リールは軽さと感度重視で選べばOK
チヌトップ用にリールを購入する必要はありませんが、クロダイの繊細なバイトをいち早くキャッチできる感度や軽さを重視してリールを選ぶと良いでしょう。
もちろんチヌの力強い引きに耐えられるだけのパワーも必要。
PEラインは0.6号を基準に選ぼう!
PEラインは、0.6号を基準に実績のある商品を選ぶと良いでしょう!
特に、チヌトップではゴロタ場でのやりとりも多いことから強度を重視したいところ。
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使用するトップウォータープラグについて
ルアーに関しては、70mm前後のペンシルかポッパーであればだいたいなんでも対応可能です。
バスルアーなどの代用でも問題はありませんが、大きな釣具屋に行けばチヌ専用コーナーが設けられている場合が多く、その中から選べば間違いありません。
カラーもなんでもいいのですが、チェイスはしてくるけれど、バイトがない場合など、クリア系に変えるとしっかりとバイトが出ることが多く、ボックスに一つはクリア系のルアーを忍ばせておきましょう。
チヌトップ用おすすめポッパー&ペンシル
ダイワ モアザン ソルトペンシル-F 70F(TDペンシル)
シーバス狙いのイメージが強いルアーですが、特に70mmモデルはチヌに非常に効果的なペンシルベイトです。
時折飛沫をあげながらドッグウォークする姿は魚そのもので、とくにベイトフィッシュを強く意識している魚に効果的です。
アムズデザイン プガチョフコブラ
もともとシーバス用として開発されたルアーですが、よりチヌゲームにマッチするように小型化されたモデルです。
ねっとりと水に絡みつくアクションはチヌに非常に効果的で、また同サイズのルアーとしては飛距離も非常に優れているルアーです。
アムズデザイン エアラコブラ
チヌ専用に開発されたモデルで、サイズ感、アクションともにチヌ狙いに最適なルアーです。
アピール力があって非常に飛距離もでるルアーなので、オープンエリアなどに最適です。
メガバス ポップX
こちらはバス用のルアーなのですが、チヌ狙いにも非常に効果のあるルアーです。
あらゆるアクションに対応しており、万能なルアーといえます。
トップウォータープラグのアクションについて
大きく分けて二種類のアクションが存在します。アクションのスピードやテンポなどは好きなようにアレンジしてOK。
ただこちらも色々と変えすぎて反応がないと心が乱れがちなので、基本的に自分の軸になるスピードやテンポを決めておくことをおすすめします。
ドッグウォーク
ペンシルの基本アクションです。ロッドティップを使って小刻みにテンポよくアクションさせることによって、ルアーが左右に首を振らせます。
またタイプによってはポッパーでもドッグウォークが可能なタイプがあります。
ポッピング
基本的にポッパーにはカップがついているため、あまり気にしなくてもポッピングさせることが可能です。
ポッピングとは、ポッパープラグで水面で「ポコッ」と音を出しながらアクションさせること。
操作方法としては、ラインを緩めず張りすぎずの状態より、一瞬ハンドルを巻き手首のスナップでロッドティップを水平に煽ります。
パニックアクションやGTポッピングもアリです
普通のドッグウォークやポッピングに反応しないとき、ガボッ!ガボッ!!と大きくロッドをあおりながらのポッピング、いわゆるGTポッピングなど意外なアクションで反応が得られたりします。
またペンシルを少し速く水面を強く叩くように動かすパニックアクションなどでも、好反応を得られることがあります。
このように意外なアクションで好反応が得られたりもするので、これと決めつけずに色々と試してみましょう。
アワセはしっかり魚の重さを感じてから
チヌに限らず、トップウォーターの釣りにおいて早アワセは厳禁です。
魚のバイトが見える分、どうしてもアワセが早くなりがちなのですが、しっかりと魚の重さが竿先に乗るのを確認してからアワセを入れましょう。
とくにチヌの場合、口周りが小さくかなり硬い魚ですので、びっくりアワセのフッキング率は相当低いので意識が必要です。
噛む力が強くて危険です フィッシュグリップ必須
チヌの噛む力は非常に強く、カニやイガイなど、非常に硬い物でもバリバリと噛み砕いて食べてしまう歯と顎を持っています。
筆者は過去に一度、誤って口に親指を入れてしまったことがあって、一瞬だったんですが、あっけなく爪を真っ二つに割られてしまいました。
特に大型になればルアーやフックも割られることも多く、この釣りにおいてフィッシュグリップとプライヤーは必須アイテムです。
まとめ
ターゲットが少なくなりがちな夏本番でも、しっかりと楽しめるチヌトップゲーム。
しかも非常に身近な場所で簡単に楽しめる釣りです。またとくに専用タックル等は必要ないので、今ある手持ちのタックルから初めてみましょう。
繰り返しになりますが、フィッシュグリップとプライヤーは絶対に必要なので、しっかりと準備して釣りに挑みましょう。
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