ロックフィッシュや青物、エギングなど磯場で狙える魚は豊富で、なおかつ釣れる魚のポテンシャルも高く非常に魅力的です。
しかし、磯釣りと聞くと「危ない」「怖い」「道具が高い」など取っつきにくいマイナスイメージがどうしても付きまといがちです。
そこで本記事では、磯ロックフリークの僕が、磯釣りにはどんな装備と心構えが必要なのかを解説します。
この記事をお読みいただくことで、みなさんが磯釣りをはじめる第一歩の手助けになれば幸いです。
▼磯ロックフィッシュゲーム入門におすすめのタックルはこちら
SPONSORED LINK
目次
磯釣りの醍醐味とは
数ある釣りのジャンルの中でも、磯釣りはほかの釣りでは味わえないようなダイナミックさが魅力です!
ターゲットとなる魚の大きさや魚影の濃さはもちろん、ポイントやその道中には日常生活ではなかなか見られないような光景が広がっています。
しかし、自然の雄大さを肌で感じることができる反面、危険も多く伴います。
僕自身も何度か危険な思いをしたことがありますし、痛ましい事故が全国各地で起こっているのも現状です。
今回は磯場での釣りを安全に楽しむための必要な装備や心構えについて紹介していきたいと思います。
磯ロックフィッシュゲームに必要不可欠な装備品
磯ロックフィッシュゲームを安全に楽しむための装備品は以下のとおりです。
ライフジャケット
どんなによいロッドやリールを持っていても、命あっての釣りです。
万が一の際に被害を最小限に抑えるためにも、ライフジャケットは必ず着用しましょう。
しかし、ライフジャケットと一口に言ってもさまざまな種類があるため、シーンごとにどのように使い分けていくべきかを理解する必要があります。
ゲームベスト
磯釣りにおいてはこのようなゲームベストを着用しましょう。
ゲームベストを推奨する理由は主に以下2点です。
- 万が一への強さ
- 携行性
第一に、“万が一への強さ”と表現したのは自動膨張式のライフジャケットと比較した際の安全面の確実さです。
自動膨張式のライフジャケットは、カートリッジ内に水が入るとそれを感知しガスが放出され浮き輪が出る仕組みです。
仮に磯場で落水をしてしまった場合、落ちた先は激しい岩礁帯であることがほとんどです。
岩にこすれ浮き輪に穴があいてしまったり、激流に揉まれて正常に作動しなかったりなどのアクシデントは容易に想像ができます。
万が一の事態にアクシデントが重なってしまっては、守れる命も守れなくなってしまいます。
ですので、磯場で釣りをする際はベスト自体に浮力体が入っているゲームベストを着用しましょう。
そしてもう一点は、携行性についてです。
たいていのゲームベストには大きなポケットが複数ついており、ルアーケースやリールなどを収納することが可能です。
磯場までの道中は険しく、ロープや岩など何かを掴んだり、転倒した際にすぐに手がつけたりなど両手が空いているメリットは非常に大きいでしょう。
僕自身はこの写真のように、その釣り場で使う道具は全てベストに収納し、ロッドはケースに入れ肩にかけて移動しています。
ベスト自体が大きなリュックの役割も果たしてくれるので、着用することで機動力が向上すること間違いなしです。
自動膨張式(腰巻・肩掛)
自動膨張式のライフジャケットの仕組みは前述のとおりです。
腰巻タイプや肩掛タイプのライフジャケットはコンパクトでスタイリッシュではあるものの、磯場ではゲームベストの着用をおすすめします。
スパイクシューズ
スパイクシューズについても、ゲームベスト同様必ず準備したい装備品です。
岩場で足を滑らせてしまうことを防止するのはもちろんですが、足元のグリップが効くとキャストやフッキングのしやすさにもつながります。
スパイクのソールは、ラジアルソールとフェルトソールの2種類があり、こちらについてもシーンごとに使い分けが必要です。
ラジアルソール(岩場ではラジアルソールの着用を推奨)
引用:ダイワフィッシングシューズ DS-2150CD|DAIWA
ラジアルソールとは上の画像左のように、長靴やアウトドアシューズなどに用いられるようなラバー状のソールのことです。
このソールにスパイクを埋め込んだタイプは、スパイクが地面をよくかむので磯場や山歩きでグリップを発揮します。
しかし、濡れたアスファルトの上やツルツルした岩の上などでは、スパイクがかまず滑ってしまう危険性があるので注意しましょう。
また、「渡船で沖磯に行く」「フェリーで離島に渡る」際などは、スパイクで船の甲板などを傷つけてしまうので、替えの靴やサンダルを持っていくことをおすすめします。
フェルトソール
フェルトソールについても先ほどの画像をご覧いただくと分かるように、ソールがフェルト生地になっています。
このソールにスパイクを埋め込んだタイプは、コケが生えている堤防やテトラポッドの上など、平面的で濡れた場所でグリップを発揮します。
凹凸の激しい磯場では、フェルトソールのスパイクはグリップが効きにくいため、ラジアルソールのスパイクの着用をおすすめします。
一口に磯と言ってもいろいろなシチュエーションがありますので、よく行く釣り場に合った一足を選びましょう。
あったら便利!磯釣りを快適にする便利アイテム3選
ライフジャケットとスパイクは必ず用意していただきたいアイテムですが、ここからは装備すると釣りがさらに快適になるグッズを紹介していきます。
グローブ
グローブについてもライフジャケットやスパイク同様、必須装備と言っても過言ではないでしょう。
岩に手をついたり、ロープを握ったりなど手にダメージを負うシーンはこの釣りではかなり多い状況です。
怪我を防止するためにも手袋は必ず着用しましょう。
また、冬場になると防寒用の手袋を着用する方も多いと思います。
僕の経験上ですが、このタイプの手袋は耐久性が弱く岩を掴むと表面がベロッとはがれてしまうことがよくあります。
防寒用の手袋は値が張るものが多いため、一回の釣行で壊れてしまってはショックですよね。
僕自身冬季の磯釣りでは、防寒用の手袋は釣りをするときのみ着用し、釣り場への移動の際はグリップの効くグローブを着用しています。
寒さに耐えられる方はこのような使い分けもおすすめです。
日焼け対策グッズ
日焼け対策については、以下の二点を必ず持ち歩くようにしています。
- 偏光サングラス
- 日焼け止め
偏光サングラスについては、磯場に限らず釣りには欠かせない必須アイテムかと思います。
しかし、磯場では直射日光と水面からの照り返しに加えて、岩礁からの照り返しも強いため目のダメージを防ぐために必ず着用しましょう。
また、「どんな岩が沈んでいるか」など水面下の状況を把握しやすくなるため、サングラスの着用が釣果にも直結してくるでしょう。
前述したようにほかのフィールドに比べ磯場の照り返しはかなり強力なため、日焼け止めを使用することもおすすめします。
「スキンケアに興味があるわけじゃないし」とお思いの方もいると思いますが、日焼けは体内の水分不足を引き起こし、肌以外にも体にストレスをおよぼします。
釣行時の熱中症対策はもちろんですが、日焼け止め一つで翌日以降の疲労の残り方も違ってくるので、こちらも使用をおすすめします。
クライミングロープ
クライミングロープについては、必ず準備すべきアイテムではないということを最初にお伝えします。
何度か通っていると「ここにロープがあったらもっと歩きやすいのに」という場所が何箇所か出てくると思うので、そのような場所に持っていくことをおすすめします。
また、メジャーなポイントになると誰かが親切心で掛けてくれたロープをよく目にしますが、いつだれが掛けたかも分からないロープに命を預けるのは非常に危険です。
そのような場所でも、ロープの劣化具合を見て、怪しい場合は自分で用意したものを使うのが安全です。
あくまで注意していただきたいのは、ロープがあるからといって、全体重をかけて垂直に降りていくような危険な場所を降りるのは避けましょう。
「ここさえ降りたらすごく釣れそう……。」なんてシーンはよくありますが、命あっての釣りですので、無理は絶対に禁物です。
磯ロックフィッシュに入門するうえで注意すべき点とは?
装備品についてここまで紹介してきましたが、ここからは磯で釣りをするにあたっての注意点や心構えについて紹介していきます。
水分&エネルギー補給
磯釣りは、ポイントまでの山歩きや不安定な岩場の上を歩くなど普通の釣りに比べ体力の消耗が非常に激しい傾向です。
疲労や水分不足によってふらつきや熱中症が起こってしまったり、それに伴い判断力が低下してしまったりすることも考えられます。
普通の釣り場なら、ちょっとバランスを崩しても転倒程度で済む可能性もありますが、磯場ではそうはいきません。
釣りに行く前はもちろんですが、釣行中も適度な水分補給と軽食などでのカロリー補給を怠らないようにしましょう。
安全第一!危ないと感じたらやめる勇気を
繰り返しにはなりますが、命あっての釣りです。
少しでも恐怖や自分の体力に不安を感じる場合は、引き返したり、釣りをやめたりと勇気ある決断をしましょう。
ポイントを新規開拓しようと1時間以上山歩きをして、ついた先が断崖絶壁でそこから降りようがない……なんてことはよくあります。
「ロープを使えばいけるんじゃないか」「違うルートがあるんじゃないか」などついつい無茶をしそうになってしまいますが一歩踏みとどまる勇気も必要です。
常に安全第一・釣果第二の心構えを忘れないようにしましょう。
磯ロック好きの筆者が語る危ないと感じたヒヤリハット
最後に、僕自身が磯に何度も通ったなかで命の危険を感じたエピソードを簡単に紹介します。
釣りに夢中になり過ぎていつの間にか夜になってしまい真っ暗な森を歩いたり、波を頭からかぶってしまったり危険な思いは何度も経験があります。
ですが、そのなかでも一番恐ろしかったのは岩場から滑落しケガをしたことです。
そのときは新規開拓をしてポイントにたどり着いた瞬間、足を置いた岩がそのまま崩れ落ち、僕もバランスを崩してしまい2mほど垂直落下してしまいました。
背中から落ちてしまいましたが、落ちた先がたまたま平坦な岩だったためどこかを強打することはありませんでした。
しかし、落下した弾みで崩れたサッカーボール大の岩がふくらはぎを直撃し激しい打撲を負ってしまったのです。
怪我はしてしまいましたが、落ちた先が海だったら、岩に頭を強打していたらなどと考えると不幸中の幸いだったなと思います。
振り返ると当時は、磯釣りをはじめて一年ほど経ちすっかり慣れたと思っていた頃でした。
いくら万全な準備をしたとしても、相手は自然なので絶対はありません。
「どこまで波が来るだろうか」「岩の質はどんな感じだろうか」など常に最悪の事態を想定しながら行動しましょう。
それが身の安全につながることはもちろんのこと、状況を冷静に見る判断力が培われ釣果もアップしてくるので一石二鳥です。
まとめ
ここまで磯で釣りをするための装備や心構えについて紹介してきました。
常に危険が隣あわせの釣りですが、抜かりのない装備と細心の注意を払えば安全な釣行を楽しむことができます。
新たな釣りをはじめるにあたってロッドやリールを選びたくなる気持ちは分かりますが、まずは命を守る大事な道具を買いそろえてから、安全なフィッシングライフを楽しみましょう。