前編では磯場に立つための装備品や心がけについて紹介しましたが、どんなタックルが必要なのかという疑問が残っているのではないでしょうか。
本記事では、一般的なロックフィッシングのタックルについて紹介し、そのなかでも磯ではどんなタックルが必要なのか、磯ロックフリークの僕が詳しく解説していきます。
この記事をお読みいただくことで、どんなタックルを準備すればいいのか理解できると思
いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
磯ロックフィッシングの魅力って?
ロックフィッシュを狙うには、磯場のほかに気軽に行ける漁港や沖から狙うオフショアなど、釣行場所の選択肢は幅広いのが特徴です。
そのなかで、僕が磯ロックをおすすめするのには以下のような理由があります。
パワフルなファイト
まずは力強い魚とのファイトを楽しめるという点が一番の魅力でしょう。
もちろん、ロックフィッシュ自体トルクフルな強い引きが特徴ですが。
しかし、磯場にいる魚は貪欲にエサを追いかけている筋肉質な魚が多く、引きも格段にパワフルです。
この釣りでは、そんなアグレッシブな大物と真っ向勝負ができます。
小さな冒険
そしてパワフルなファイトもさることながら、「一匹を釣るまでの過程」を楽しめるのもこの釣りの大きな魅力だと僕は思います。
地図を読み込み自分でポイントを開拓したり、なかなかお目にかかれないような絶景を目の当たりにできたり、磯釣りには小さな冒険のような要素が詰め込まれています。
自分が主人公のRPGゲームで、ひとたび最高の一匹を釣ってしまうと、抜け出せなくなること間違いなしです……。
ロックフィッシュゲームのターゲットin東北
ここからは東北の釣り場で狙えるロックフィッシュたちを紹介していきます。
アイナメ
アイナメは、東北のロックフィッシュの代名詞というべき魚です。
金属的な強いバイトとトルクフルな引きで僕たち釣り人を楽しませてくれます。
主に釣れるのは、5~7月頃の初夏と11月から2月頃の秋冬シーズンです。
また、秋冬のスポーニングの時期になると写真のような黄金色の個体(オス)を見ることができます。
ソイ類
アイナメ同様、ソイも人気のターゲットで、ベッコウゾイやクロソイ、ムラソイなど種類もさまざまです。
特に上の写真のベッコウゾイは、アイナメと並ぶ磯ロックのターゲットとして人気を集めています。
ブラックバスのような大きな口で大型ベイトを捕食することも多く、かなり大きなワームで狙うことも可能です。
釣れるシーズンはアイナメとほぼ同様です。
近年では海水温の上昇の影響か、生息数の多かった宮城県だけでなく岩手県や青森県のフィールドでの釣果も増えてきています。
キジハタ
上記の2種に加えて、キジハタも近年人気のターゲットになりつつあります。
東北では主に山形県を中心とした日本海側に生息しており、7~9月頃の暑い時期がハイシーズンです。
僕自身、キジハタに関しては数えるほどしか釣ったことはありませんが、同サイズのアイナメやソイに比べ、引きが一段と強いと感じます。
いずれみなさんにキジハタ釣りの魅力もお伝えできるよう、さらにやり込んでみようと思います。
タックル選びのその前に!スピニングタックルとベイトタックルどちらがおすすめ?
パワフルなロックフィッシュとのファイトにはどんなタックルがいいのか、各タックルのメリット・デメリットに触れながら紹介していきます。
ベイトタックルのメリット・デメリット
ベイトタックル最大のメリットは「タックルのパワー」です。
根に力強く潜ろうとするロックフィッシュたちとのファイトには、タックルパワーが必要不可欠です。
そして、それに加えて手返しよくピンポイントでキャストを決め、リグをボトムにタイトに沿わせつつ根掛かりを回避するという繊細なロッドワークも求められます。
以上の点を踏まえると、ベイトタックルに分があると僕は思っています。
次にベイトタックルのデメリットは「バックラッシュ」です。
バックラッシュとは、スプールの回転速度がラインの放出速度を上回ってしまい、空回りが生じるライントラブルのことです。
ベイトリールのキャストに慣れている方は問題ありませんが、慣れていない方は必ず練習しましょう。
スピニングタックルのメリット・デメリット
スピニングタックル最大のメリットは、ベイトタックルと比べたときの「遠投性能の高さ」でしょう。
ここで一点注意していただきたいのは、「遠くに投げれば釣れるわけではない」ということです。
起伏に富んだ磯場の多くは、足元が一級ポイントです。
実は足元に大物が潜んでいることも多いので、遠投することばかりを意識しないようご注意ください。
先述のとおり、ベイトタックルに比べたときのタックルパワーの弱さと、手返しの悪さがスピニングタックルの主なデメリットです。
テンポよくキャストし丁寧なロッドワークでリグを操るという点では、どうしてもベイトタックルには劣ります。
しかし、近年では磯ロック専用に作られた非常にハードなスピニングロッドも販売されています。
ベイトリールのキャストに自信がない人はそのようなモデルを一本持っておきましょう。
スピニングとベイトタックルの使い分けのポイント
さて、ここまではそれぞれのタックルの特性に触れてきましたが、実際にフィールドではどんな使い分けをすればよいか僕なりのポイントを紹介します。
結論ですが、飛距離以外ではベイトロッドのメリットが多いと僕は思っています。
ですので、釣り場に着いたらまずはベイトロッドでテンポよくキャストをして、魚の反応をチェックしてみてください。
ベイトロッドのキャスト範囲で魚の反応がない、または反応が薄くなってきたらスピニングロッドの出番です。
遠投先の一段深くなるポイントを目がけて、フルキャストで魚を狙います。
このようにベースはベイトロッドでの釣りを展開し、魚の反応が薄い場合にスピニングロッドの併用をおすすめします。
【入門者向け】磯ロックフィッシュゲームにおけるタックル選びのコツとおすすめタックル
ここからは磯ロックにおけるタックル選びのポイントを、ほかのゲームシーンとの違いに触れながら紹介していきます。
ロッドの選び方
繰り返しにはなりますが、一口にロックフィッシングといっても、釣り場は磯場だけでなくほかにもさまざまなシーンが想定されます。
そんななかでも、磯ロックロッドに求められる大事な条件は二点あります。
第一に、何よりも求められるのは、「パワー」です。
パワフルな引きに対抗することはもちろんですが、足場の高い場所からブッコ抜きでランディングすることも多いため、ロッドパワーは必ず求められます。
表記でいうとHクラス以上のかなりハードなモデルで、長さは8ft以上のロッドがおすすめです。
もう一点は、少しでも根がかりを回避できるよう「高弾性のロッド」であることです。
釣果を伸ばすためには魚が潜む根を丁寧に探っていくことが求められます。
ですが、そんなポイントには根がかりがつきものですし、磯場はほぼどこに投げても根がかりの発生頻度は高い状況です。
根がかりを防ぎロストも少なくすることは、釣りのテンポを落とさず、釣果アップにもつながるでしょう。
それでは、ベイトとスピニングでそれぞれどんな点に注意して、ロッド選びをすればよいか詳しく紹介していきましょう。
ベイトロッド
まずはベイトロッドについてです。
パワーや長さ、弾性については先述のとおりです。
ロックフィッシング用のベイトロッドは漁港などでの近距離戦や、ボートでの釣りに向けた7ft前後のロッドも多く販売されています。
しかし、磯場で使う際は遠投を要するので、8ft以上のものを選ぶようにしましょう。
スピニングロッド
スピニングロッドについても考え方は同様で、ロッドのパワーや長さ、弾性の高さは必要不可欠です。
近年、東北のロックフィッシュシーンでは「ロングスピン」と呼ばれる、9〜10ft前後のロッドを用いて漁港などで遠投をして魚を狙う釣り方が主流になっています。
しかし、そのようなロッドは遠投性能に優れてはいるものの、磯場で使うパワーを十分に備えているとは言い難いものも多い状況です。
ベイトタックル同様、十分なパワーを備えたロッドをおすすめします。
リールの選び方
ロックフィッシングにおけるリール選びのポイントは主に二つあると僕は考えています。
一つは、根に潜ろうとする魚をいかに阻止できるかです。
そして、もう一つは根がかりを防ぐためにいかに糸ふけをつくらないかです。
リフトアンドフォールをした際や、根がかりを外した際に糸ふけが生じると操作感が一瞬失われ、そのわずかなタイミングが根がかりの誘発につながります。
その二点を解消するには、リールのギア比の高さが求められるのでベイト、スピニング問わずハイギア〜エクストラハイギアモデルのリールを選びましょう。
また、スペックとは別件ですが磯場での釣りなので岩場にタックルを置いたり、時には転倒してしまったり、タックルに傷がつくケースは多い傾向があります。
せっかく購入したハイエンドモデルが、一回の釣行で傷だらけになってしまったり、破損してしまっては目もあてられません。
ですので、個人的には必要なスペックを満たしている中級モデルくらいのリールが、この釣りにはベストかなと思っています。
以上の点を踏まえ、ベイトリールとスピニングリールそれぞれどのような点に注意して選べばよいのか、さらに詳しく解説していきましょう。
ベイトリール
まずベイトリールについてですが、先述のとおりギア比の高い商品を選ぶようにしましょう。
また、ベイトリールを使用する際はPEラインと同じくらい、フロロカーボンのラインを用いることがあります。
飛距離と水深、釣行中の根がかりによるロストなどを踏まえると100mほどの糸巻量は確保したいところです。
ですので、フロロカーボンの20ⅼb前後を、100mほど巻ける大きいスプールが備わっていることも必要条件でしょう。
スピニングリール
スピニングリールもベイトリール同様、ギア比の高いものをおすすめします。
大型のロックフィッシュになると引きも強烈です。
さらに、足場の高いところからブッコ抜きでランディングをするなど、無茶をしないといけないシーンも多々あるので、番手でいうと4000番クラスのスピニングリールをおすすめします。
ラインの選び方
PEラインならこちら!
フロロカーボンならこちら!
ロックフィッシングにおけるラインセッティングは、PEラインにフロロカーボンのリーダーを結束したものと、フロロカーボン直結の二種類が一般的です。
一般的といっても昨今のシーンでは前者のセッティングをメインにしている人がほとんどだと思います。
たしかにPEラインは感度、飛距離、そして視認性など優れた点が多く魅力的です。
しかし、硬いものとの接触には弱く、岩などに擦れるとスパッと簡単に切れてしまいます。
起伏の激しい根の中にリグを送り込んだ先でのバイトや、足場の高いポイントでのランディングなど、硬い岩にラインが擦れてしまうシーンは多々あります。
ですので、僕の場合はベイトにはフロロカーボン、スピニングにはPEラインを巻きあらゆる状況にもアジャストできるように対応しているのが特徴です。
ちなみに、ラインの太さはPEラインの場合は1.5〜2号に16〜25lbのリーダー、フロロカーボン直結の場合は20〜24lbを用いることが多い状況です。
リグの選び方
シンカーならこちら!
フックはこちら!
ワームはこちら!
東北の磯ロックシーンにおいて、メインで使うリグはテキサスリグです。
ジグヘッドも代表的なリグですが、起伏に富んだ根の中にフックが剝き出しのものを投げてしまっては根がかりのオンパレードです。
丁寧な釣りができないのでおすすめはしません。
ベイトフィッシュを積極的に追っている場面など、ジグヘッドが有効なシーンももちろんあるのでボックスに忍ばせておくのもよいでしょう。
また、一口にテキサスリグといってもシンカーの形状によってテキサスリグやフリーリグなど種類が異なります。
シンカーの形状が異なるだけで、フォールスピードや飛距離、根がかり回避能力などが変わります。
それぞれのリグの紹介や使い分けなどについては、今後また詳しく書きたいと思うので楽しみにしていてください。
まとめ
ここまで磯ロックで使用するおすすめのタックルについて紹介してきましたが、ここで一つ注意していただきたい点があります。
僕が記事を書くにあたって前提としている釣り場は、かなり起伏の激しいボトムや足場の悪い磯場です。
しかし、一口に「磯ロック」といってもそのような激しい場所はもちろん、漁港の脇の小磯や投げた先に大きな岩が沈んでいる砂利浜などポイントはさまざまです。
記事の中ではかなりハードなタックルを多く紹介しましたが、ご自身がよく行く釣り場に合わせたタックルを選ぶようにしてください。
前回は必要な装備品、今回はタックルについて紹介してきましたがこれで準備は完璧です。
ぜひ磯場に立ち、抜群のロケーションで最高の一匹を追い求めてみましょう。