栃木県・奥日光に位置する湯川。
湯ノ湖を水源に、観光地として有名な戦場ヶ原の湿原を通過し、下流の地獄沢と合流するまでの約11kmを流れる河川で、主にフライやルアーでブルックトラウト(和名:カワマス)を狙うアングラーが多いフィールドです。
解禁は毎年5月1日で、まだ水温も低い解禁直後は魚の活性も低く、簡単には釣れないようで、この時期は夏場の最盛期に比べてエントリーするアングラーも少なめ。
今回は、そんな春の湯川を攻略する方法をご紹介します!
釣り方をまったく知らずに訪れると
1匹も釣れなかった…
なんてこともザラなこの時期の湯川。
チャレンジする前にこの記事を読んでいただけたら、ノーフィッシュは回避できるかも!?
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目次
解禁直後!低活性なブルックトラウトの攻略法を実釣伝授します!
今回の遡行ルートをご紹介(竜頭の滝~赤沼茶屋~湯滝)
渓流釣りの基本ルールは「下流から上流に向かって釣り上がる」ですが、ここ湯川に限ってはそのルールが適用されていません。
最も多いのが最上流部の湯滝有料駐車場に車を停めて、下流に向かって釣り下るスタイルのアングラーじゃないかな?と思うほどです。
進んだ先に人がいても、追い越して釣りをすることが許されているのも珍しいフィールドですが
かといって「人がいたら声をかける」「追い越す時は先に行ってもいいか確認をする」といった最低限のマナーは疎かにしないよう気をつけましょう。
誰だって無言で追い越されて、すぐ先で投げ始められたら気分は良くないですからね。
今回は基本ルールに習って、最下流の「竜頭ノ滝」から最上流の「湯滝」を目指して釣り上がるスタイルで遡行してみました!
解禁直後の渋さを実感…
夏場の最盛期は、小さな落ち込みや、流心の上流に向かってミノーをキャストし、軽くトゥイッチしながら巻いてくるだけで、2〜3匹のブルックが追いかけてくる様子が見えますが、同じようにアプローチしてみてもまったく反応がありません。
確かにこれを釣るのはそう簡単ではなさそうです。
イワナやヤマメ同様、ブルックが好む場所も季節によって変わりますが、湯川は比較的魚の着き場が分かり易いように思います。
まだ水温の低いこの時期は、岩の隙間や、流れの緩い深みの底、流心の一枚下を好んで待機している子もいます。
湯川の場合、特に分かり易いのが「倒木」です。
湯川には無数の倒木が沈んでいますが、時期に関わらず必ずと言っていいほど魚が着いています。
低活性のブルックはこう釣るのだ!
「ただミノーを流しても釣れない」と前述しましたが
じゃあどうやって釣るの?
実はポイントさえ押さえれば比較的簡単に釣れちゃいます。押さえるべきポイントは3つ!
ポイント1「ダウンで釣る」
流れの上流から下流に向かって投げて、なるべく底の方に沈めます。
沈めるといっても方法は色々ありますが、今回はミノーを使った場合で説明しますね。
ミノーの場合、魚が着いているであろうポイントによってタイプを使い分けます。
障害物の上流側を狙う場合は、放っておくと沈むシンキングミノーを、下流側を狙う場合は巻くと潜るリップが長めのフローティングミノーを使います。
理由の説明は図解したほうが分かりやすいので、こちらの図をご覧ください。
こんな感じで、ダイレクトに魚の目の前まで持っていくイメージでルアーを操作します。
ミノーの操作が難しかったり、根掛かりが心配だなぁ…という場合は、2〜3gのスプーンでもまったく問題ありません。
ポイント2「巻かない」
ミノーをちょいっと投げたら、そのまま「巻かずに」ロッド操作だけでなるべく底を行ったり来たりさせてください。
じっと沈みっぱなしにさせるのではなく、ロッドを手前に引いたり、送り込んだりして、ルアーを浮かせたり沈ませたり、泳がせたり止めたりしながら、魚が着いているであろう付近で「うろちょろ」させるんです!
そしてこれをとにかく「しつこく」やるのが大事です。
活性が高い時期だと、魚がいれば沈めた直後に
「エサだーやっほー!」
とバイトしてくるのですが、低活性のこの時期は、食う気は無いんだけど目の前をうろちょろする目障りなやつを「威嚇」して噛み付いてくるのを狙った釣り方なので、想像よりもずっと辛抱強くじっくり流し続けると、しばらくして“ガッ”とバイトが出たりします。
ポイント3「投げない」
究極の釣り方、初心者でも簡単に1匹をゲットできるのでぜひトライしてみて欲しいのが「ちょうちん釣り」です。
適当な長さだけラインを垂らして(ロッドより長くはしない)魚が潜んでいそうな倒木の隙間にルアーを沈めます。
ここではシンキングミノー(もしくはスプーン)を使ってください。
あとはちょんちょんとロッドティップを弾いてルアーをぴょんぴょん跳ねさせるだけです。
ここでもコツは「とにかくしつこく」やること。
ぴょんぴょん跳ねたルアーは毎回同じ場所を行き来しているわけではなく、ふとした瞬間にスッと魚が待機している奥のほうまで入り込むタイミングがあり、良いところ(=魚の目の前)に入った瞬間に魚の威嚇スイッチが入ってバイトが出ます。
騙されたと思って、倒木のあっちこっちに空いている隙間という隙間にルアーを入れてしつこく粘ってみてください。
湯川・戦場ヶ原の歩き方
湯川はざっくりと、下流エリアにあたる竜頭の滝〜赤沼茶屋、中流エリアの戦場ヶ原湿原、上流エリアの小田代橋〜湯滝で渓相が大きく変わります。
- 下流エリアは岩盤が多めでやや勾配があり、落ち込みが多数連続する渓流に近い渓相。
- 中流エリアは湿地帯の中をゆったり流れ、底質は赤茶色の土が多く、川沿いには葦がたっぷりと生えていて、たびたび倒木が登場。
- 上流エリアは小滝以下までは同じような土壌で似た渓相をしていますが、小滝より上になると一変して木々が濃くなり、熊笹が生え、底質も砂利と黒っぽい土に。
その際に注意したいのが「環境への配慮」です。
湿地帯の土壌は脆く、我々が気を使って歩かないと簡単に崩れて形を変えてしまいます。
私たちアングラーはウェーダーとブーツを履いているので、どこでも歩けてしまいます。
逆に、遊歩道から逸脱して葦の群生や笹薮を踏み荒らすのは我々くらいなのです。
数人であれば大した影響は無いかもしれませんが、年間のべ数百人は訪れることを鑑みると、影響が無いとは考えられません。
同様に、湯川は観光やトレッキング、バードウォッチングで非常に人気のスポットです。
釣り以外の目的で訪れる方が大半な中で「周りの方への配慮」も欠かせません。
遊歩道を歩く時はロッドやルアーの扱いに十分に注意する、観光やバードウォッチングをしている方の邪魔にならないよう気を配る、どちらか一方が気を遣えばいいわけではなく、持ちつ持たれつでトラブルが無いように思いやりを持って行動するのが大切です。
今後、釣り禁止エリアが増えてしまったり、我々アングラーを良く思わない戦場ヶ原のファンが増えてしまったら悲しいですよね。
湯川で活躍してくれたおすすめタックルと装備をご紹介!
ロッドはHuerco(フエルコ)「MG600-5S」
5ピースのパックロッドなので、狙ったポイントまでのエントリーや帰りの遡行がとても楽ちんです!
ティップは繊細なわりに、ほどよい張りがあるのでキャストも決まりやすく、初心者にも扱いやすいロッドだと思います。
▼適度に張りがあり初心者でも渓流攻略がスムーズ!
リールはSHIMANO「ツインパワー2000」
▼SHIMANOなら1500番~2000番がおすすめです!
メインラインはPE0.2号~0.4号、ショックリーダーはフロロカーボン4lb~8lbを使うルアーやポイントによって使い分けています。(軽いスプーンを投げるなら細め、がちゃがちゃした倒木を狙うなら太めのような感じで)
▼PEラインは0.2号〜0.4号を基準に選ぼう!
▼フロロカーボンショックリーダーはこちら!
ヒットルアーはSMITH「Dコンタクト50」
今回はすべてDコンタクトで釣りました!
スムーズに沈んでくれて、きびきびとアクションしてくれるので食わせやすく使いやすいルアーです。
沈ませやすい分、根掛かりも必至なので何個かストックしておくことをおすすめします。
▼障害物の多い渓流域ではストックが必要!
服装&装備
湯川で釣りをする時の服装と装備はこんな感じです。
- レインウェア
- ウェーダー
- ウェーディングブーツ(フェルトピンスパイク)
- ロッド
- リール
- スリング(バッグ)
- ルアーボックス
- パーツケース(スナップ、リング他)
- 偏光グラス
- カメラ
- ランディングネット
- その他 遊漁券、おやつなど…
私は機動力のあるソックスタイプのウェーダーを愛用していますが、これから釣りを始めたい方や、試しに湯川に行ってみたくてウェーダーをこれから買うという方は、リーズナブルなゴム長タイプのナイロンウェーダーでも十分です。
▼お買い求めやすいソックスタイプのウェーダーはこちら!
▼ソックスタイプのウェーダーならフェルトピンスパイクも購入しよう!
偏光グラスは必ず着用してください。
偏光グラスの着用は魚を視認するだけが目的ではありません。
水中が見えやすくなることで安全に歩ける、藪漕ぎで木の枝から目を守る、といった身を守ってくれる役割があります。
▼人気沸騰中のBIGFISH 1983 偏光グラス!
湯川は大人の方が流されるほどの水量や深みはほとんどありませんが、子ども連れで釣りをする時は必ずライフジャケットを着せてあげてください。▼お子様には必ずライフジャケットの着用を!
大人の方でも、雨後で増水してる場合などくれぐれも無理はしないよう注意して釣りを楽しんでくださいね。
まとめ
今回は、栃木県・奥日光の湯川にて、解禁直後のブルックトラウトを釣る攻略法!をご紹介しました。
やはりまだ水温が低く活性が低い状況でしたが、3つのポイントを実践することで釣果を出すことができました。
- 「ダウンで釣る」
- 「巻かない」
- 「投げない」
後半でご紹介した「湯川・戦場ヶ原の歩き方」もぜひ意識して遡行していただければと思います。
観光地と釣りのポイントがこんなにも共存している場所は多くはありません。
湯川で釣りをしていると必ずといっていいほど「何が釣れるんですか?」と尋ねられます。
こういった会話から、まだ釣りをしたことがない人が釣りを始めるキッカケになるかもしれません。
釣り人のマナーや環境問題はどこのフィールドでも起こりがちな話題ですが、周りの方や環境に配慮をして、今後はより素敵なフィールドにしていけたらいいなと思います。
おすすめのタックルも、これから湯川で釣りをしてみたい!という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
▼湯川のレギュレーションや料金はこちらで確認しよう!