栃木県北部矢板市の高原山裾に秘湯とも言われる鉱泉の宿が3軒あります。
荒川の支流中川の上流にある寺山鉱泉、小滝鉱泉、赤滝鉱泉です。
その中でも、四駆でもないと行けないような悪路の山の中にぽつんと佇む一軒の宿があります。
江戸時代に開湯され、明治期に開業されて今でも明治の面影が残る古い温泉宿です。
春の芽吹きには眩しいくらいの新緑、秋には錦繍が全山を真っ赤に染め、静寂に包まれた山の中で心を癒すことが出来ます。
矢板市には、レンゲツツジの群生地で有名な八方ヶ原、最近全国的にも有名になった神秘の滝「おしらじの滝」など、大自然の中でハイキングを楽しむ事が出来ます。
また、歴史あるお寺や城址公園、2か所あるダムなどを散策するのも素晴らしいのではないでしょうか。
今回は、秘湯マニアにも人気のある山の中にぽつんと隠れた鉱泉宿「赤滝鉱泉」を紹介したいと思います。
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目次
「赤滝鉱泉」の基本情報
住所 | 〒329-2506 栃木県矢板市平野1628−1 |
営業時間 | 9:00~19:00(要確認) |
営業時期 | 要確認 |
電話番号 | 0287-43-0940 |
定休日 | 要確認 |
料金 | 日帰り入浴500円 宿泊7000円(1泊2食付)有料にて送迎あり |
駐車場 | 普通車5台(要確認) |
公式URL | なし |
泉質 | 酸性泉、鉄鉱泉 |
<赤滝鉱泉 詳細地図>
「赤滝鉱泉」への道のり
「赤滝鉱泉」の素晴らしい特徴をご紹介します。
「赤滝鉱泉」は、栃木県矢板市平野地区にあります。
矢板市から八方ヶ原を通って塩原温泉に通ずる県道56号線の八方道路の途中にあります。
栃木県民の森への分岐手前から無舗装の細い山道を左手に入ります。
入り口には、赤滝鉱泉と小滝鉱泉の案内板があります。
数分行くと左手に空き地があり、そこに車を止めて歩いて「赤滝鉱泉」に向かいます。
この先の道は悪路で、普通車ではちょっと無理なので進入は控えた方が賢明です。
徒歩で3分ほどですが、がけ崩れなどがある為注意が必要です。
森の中の細い山道を歩くこと数分。左手下に数棟の赤いトタン屋根が見えてきます。
足元に注意して山道を降りると、「赤滝鉱泉」の宿の裏手に出ます。
「赤滝鉱泉」の特徴
宿はかなり古く、一瞬、昔の遠い世界に迷い込んだような雰囲気です。
建物は明治期に建てられたものらしく、有形文化財に登録されても良いような年季ある建物です。
「赤滝鉱泉」の紹介
「赤滝鉱泉」は、江戸時代の享保年間に発見され、近在の人々の湯治場として栄えたそうです。
その後、明治時代に入り旅館法が制定されるにあたって明治4年「赤滝鉱泉」として名称を登録しました。
「赤滝鉱泉」の効能は、神経痛・リウマチ・胃腸病・婦人病・交通事故の後遺症など。
特に、冷え症等に効能があると看板に記してありました。
玄関を入ると明治期に建てられたらしく、床や階段などが黒光りするほどによく磨かれていました。
狭い廊下を奥に進むと小さな脱衣所がありました。
脱衣所は狭かったですが、壁の棚は良く整頓されていました。
脱衣所のすぐ脇が浴室で、洗い場には簀子が敷いてありました。
洗い場には水道が2か所、洗い手桶と腰掛があるだけです。
石鹸などは置いてないので注意が必要です。
浴槽の隅には、沸かし湯の為か給湯用のバルブがありました。
石張で囲まれた木製の浴槽は、一人でのんびりと入る位の狭さでした。
私が材木屋に勤めていた事を話すと、女将さんが2階の宿泊部屋に案内してくれました。
2階の部屋は2部屋あり、書院の組子窓が付いたとても素晴らしい造りでした。
また、明治期の建物らしくすべてが無垢の木材でした。
煤焼けはしていますが、今では手に入らないような素晴らしい木材が使われていました。
上の写真の左の床柱はシロヤシオツツジです。
また、右の柱はヤシオツツジの木だそうです。
私が見た限りでは、太さがありその上小さい瘤が無数にある年功のある木ではないかと思いました。
私も三十数年材木屋にいましたが、この様な素晴らしい銘木に出会ったのは初めてでした。
今では絶対に手に入るシロモノではないでしょうね。
この部屋の脇にある廊下にも今ではなかなか手に入らない楠(クスノキ)の無垢材が使われていましたよ。
多分、先代の当主が建築資材に贅を惜しまなかったのかもしれませんね。
※クスノキは防虫効果があり、樟脳の原料でもあります。
床の間の造りも素晴らしく、床柱も自然木を利用した今では手に入り難い木材です。
床框は、無垢の黒柿かな?
「赤滝鉱泉」へのアクセス
お車でお越しの場合
東北自動車道矢板IC ~ 県道30号経由・泉交差点左折(八方ヶ原方面) ~ 県道56号経由(八方道路)~ 赤滝鉱泉・小滝鉱泉入り口
矢板・塩谷地区の釣り情報
矢板・塩谷地区には、「東古屋湖」というダム湖を利用した管理釣り場があります。
東古屋湖の魅力とは
東古屋湖の魅力としては、自然の湖に多くの魚種を放流しているため、大自然の中で伸び伸びと釣りができる点です。貸しボートで釣りもできますし、上流部にあるキャンプ場にてキャンプをしながら釣りが可能で、釣り人だけでなくファミリー層にも人気のスポット!
東古屋湖で狙える魚種
東古屋湖では、「ニジマス」・「ヤマメ」・「サラクマス」・「イワナ」・「ブラウントラウト」・「ヘラブナ」・「ワカサギ」が狙えます。
中でも、大型ニジマスは80cmオーバーも釣れており大物好きには魅力的です。
東古屋湖の解禁期間と料金について
<解禁期間>
解禁日 | 平成31年3月2日(土) |
釣り期間 | 平成31年3月2日(土)~12月30日(月) |
釣り時間 | 解禁~10月末 午前6時~午後5時まで
11月~12月:午前7時~午後4時30分まで |
釣り適期 | マス類-3月~6月・9月下旬~12月
ワカサギ-9月下旬より ヘラブナ-全期間 |
<遊漁料金>
一日券 | 組合員 2,800円 一般券 3,300円 中高生 2,000円 小学生 1,100円 |
午後券 | 組合員 2,200円 一般券 2,800円 中高生 2,000円 小学生 ― |
入漁券は現地組合事務所で入漁前にお求めください。現場扱は加算金がつきます。
東古屋湖では、岸釣りのほか「釣船貸出」も行っております。
1日1隻 2,200円から借りることがき、貸出時間は、釣り終了時間の1時間前までです。ご利用の際は、ご注意ください。また、船釣りを行う際は救命道具を必ず着用してください。
事務所にて無料貸出も行っています。
<東古屋湖 詳細地図>
東古屋湖のレギュレーション
東古屋湖に限らず管理釣り場では、釣りの規則を定めたレギュレーションがあります。
東古屋湖では
- 釣り開始時間まで竿を伸ばさない
- 釣法は、餌釣り・ルアー釣り・毛針釣りに限る
- 釣り具使用は1人2組み以内
- 尾数制限はないが15cm以下のマス類はリリース
- 船釣りの貸出時間は厳守
- 船の持ち込み禁止
- 解禁日の場所取り禁止
などのレギュレーションがあり、しっかりと守って釣りをしましょう。釣り場の環境を整え、規則を守り、快適な釣りを心がけてください。
▼レギュレーションの詳細は、必ず東古屋湖の公式ページでご確認ください!
矢板地区のお勧め観光スポット
赤滝鉱泉など、矢板地区を訪れた際におすすめしたい観光スポットをご紹介します。
小滝鉱泉
小滝鉱泉は、矢板市から県道56号を北上し、赤滝鉱泉入り口から左手に曲がり急な坂道を沢まで降りていきます。道が狭く急坂ですが、冬場でも積雪がなければ普通車でも行くことができます。
小滝鉱泉は明治25年創業で、山深い谷底の一軒宿です。
泉質は、弱酸性低張性冷鉱泉で、加温して循環してあり、さらっとした感じの湯です。
効能は、リウマチ・腰痛・神経痛・筋肉痛・ 関節痛・五十肩など、また美肌効果もあるそうです。
小滝鉱泉の脇にある滝は小滝と呼ばれ、矢板市の水辺景観10選に選ばれています。
小滝鉱泉の由来は、この小滝から名付けられたそうです。
寺山鉱泉
寺山鉱泉は、矢板市街から県道56号線(八方道路)を北上し、途中から西へ3km。(途中に案内板あり)
田んぼの畦道のような狭い道を山手に向かって車を走らせると山の一軒宿寺山鉱泉に着きます。
温泉施設は山の奥とは思えないほど清潔で立派な建物がありました。
お湯は、茶褐色で鉄分が多く含まれ飲用すると貧血や胃腸病、便秘に良く効きます。
また、血行が良くなるためデトックス効果と共に様々な痛みを和らげます。
効能は、神経痛・リュウマチ・胃腸病・婦人病・糖尿病・アトピー性皮膚炎など
日帰り入浴は、500円です。
寺山観音寺
寺山観音寺は高原山の山懐、矢板市中心地から県道272号線で北西に5kmほどの山の中にあります。
観音寺がある寺山地区は、山間にある10軒ほどの集落です。
静寂に包まれ、鬱蒼とした杉木立の中に寺山観音寺はあります。
夏には、煩いほどの蝉しぐれ。夕暮れ時に鳴くヒグラシは何故か寂しさを誘います。
立派な阿吽の仁王像を見ながら山門を潜るとすぐ左手に大きなイチョウがあります。
この大イチョウの木は、樹齢が約350年と言われています。
山門の奥には、大同元年(806年)に再建された白木造りの本堂があります。
寺山観音寺は、724年に行基が建てた法楽寺が始まりとされています。
真言宗智山派のお寺で千手観音菩薩像を本尊としています。
下野三十三観音第七番札所で与楽山観音寺といわれています。
ここでは、ご朱印を頂くことが出来ます。
大イチョウの前には、ゆうれいの腰掛石があり伝説とされています。(下写真右)
「昔の人は、亡くなると幽霊になってお寺の観音様の中に入るといわれていたそうです。この岩に座って身なりを整え、心沈めてから観音様の中に入っていった」という伝説だそうです。
<寺山観音寺 詳細地図>
川崎城址
川崎城は、平安時代末から戦国時代にかけて塩谷地方北西部を支配した塩谷氏の居城で、正治建仁年間の頃の築城です。
約800年前、塩谷地方を領有していた塩谷氏の5代朝義が宇都宮業綱の次男朝業を後継者に迎え築城したと伝えられています。
整備された城址には、空掘や土塁、本丸や二の丸などの史跡が残されています。
文禄4年2月8日に廃城し、今は、矢板市指定史跡になっています。
上の写真は、本丸跡です。
下の写真は、本丸跡から見た東出丸と矢板市街です。
下左の写真は、主郭部への石段です。
下右の写真は、二の曲輪です。雪を被った高原山が遠望できます。
<川崎城址 詳細地図>
山の駅「たかはら」
八方ヶ原を代表する学校平は、標高1000mから1200mに開けた台地上の高原です。
その散策の中心基地となるのが山の駅「たかはら」です。
山の駅「たかはら」周辺には、トイレも完備されています。
ここからは、塩原温泉へと続く登山道も整備されており四季折々の自然を楽しむ事が出来ます。
以前、貸別荘がありましたが今は廃墟となってしまいました。(下写真)
山の駅「たかはら」では、お土産物やソフトクリームなども販売していますので、旅の休憩にいかがでしょうか?
毎年、5月〜6月にかけては、レンゲツツジが見頃を迎えますよ♫
今なら、限定「おしらじソフトクリームも食べれるかも」詳細は以下より。
八方ヶ原「レンゲツツジ」
矢板市の北西に位置する高原山。
その大自然が広がる周辺にはレンゲツツジの群生地や湖、神秘的な輝きの滝などを見ることが出来ます。
レンゲツツジは、学校平から南に下ると行くことが可能。
ハイキングコースは学校平から大間々自然歩道でキャンプ場のある小間々に向かいます。
小間々からは林間コースとなり、レンゲツツジの群生地の大間々へ。
ここには、駐車場と展望台があり南側に広がる八方ヶ原の素晴らしい光景を見ることが出来ます。
群生地に、真っ赤な絨毯を敷いたようなレンゲツツジは素晴らしいの一言につきます。
八方ヶ原周辺には、剣ヶ峰やミツモチ山へのハイキングコースも整備されており、大間々の駐車場を起点に素晴らしいハイキングを楽しむ事が出来ます。
ロケーションが良いため、アマチュア無線の愛好家もたくさん来ています。
▼矢板観光協会のHPよりツツジ群生地への行き方が掲載されています!
八方湖
八方湖へは山の駅から八方ヶ原放牧場の脇を通り、別荘分譲地を通り過ぎた最奥にあります。
ここは、沢を堰き止めた人造湖で湖面に映し出される紅葉の素晴らしさは最高です。
以前は、ニジマスが放流されてルアー・フライフィシングの有料釣り場でした。
私も良く行きましたが、今は閉鎖されています。
最近の情報によると、八方湖への立ち入りは禁止となってしまいました。
再開されれば良いのですが。
秋には、静かな湖面に出来るニジマスのライズを狙うドライフライフィシングは最高でした。
下は、八方湖の排水ゲートです。
おしらじの滝
最近、意外にも有名になってしまった幻の滝「おしらじの滝」。
数年前までは、ごく一部のハイカーやカメラマンでしか知りえなかった滝です。
関東地方にある滝の中では、あまり見ることの出来ない滝壺のブルーが人気の秘密だそうで、見るからにも神秘的な光景といえます。
おしらじの滝の名前の由来は、昔、「雨乞いのための祈りを捧げた場所」とか、滝の水の流れをなかなか見ることが出来ないので「幻の滝」と言われるようになったとも言われています。
また、「しらじ」とは壺のことで、そこに崇拝の意味を込めて「おしらじ」と呼ばれたようです。
八方ヶ原には、素廉の滝・任三郎の滝・雄飛の滝、・雷霆の滝がありますが、「おしらじの滝」が何と言ってもいちばん神秘的ではないでしょうか。
おしらじの滝へのアクセス
山の駅から八方道路を塩原方面へ車で7分程の所に駐車場があります。
そこから、7分程山道を歩くと「おしらじの滝」に行く事が出来ます。
山道が悪いため、足拵えは十分に、足元には注意してください。
※冬季は山の駅から那須塩原市側の道路は閉鎖の為、車は通行禁止です。
<おしらじの滝 詳細地図>
▼矢板観光協会公式ページからも詳細地図をご確認ください!
長峰公園
長峰公園は、JR宇都宮線・矢板駅の北約700mほどにある矢板市民の憩い公園です。
北関東有数のツツジの名所として知られおり、約5000本のツツジが植栽されています。
日本の都市公園100選にも選ばれ、4月下旬から5月上旬には5000本のツツジが丘全体を真っ赤に染め上げます。
<長峰公園 詳細地図>
寺山ダム
矢板市には、那珂川水系宮川の上流に寺山ダム、簗目川の上流に塩田ダムがあります
寺山ダムは、矢板市の北西7キロに位置し、高原山を水源とする那珂川水系宮川の上流に建設されました。
ダム形式は、堤高62.2m、堤頂長260m、総貯水容量256万㎥のセンターコア型ロックフィルダムです。
機能としては洪水調整、灌漑、不特定用水、 上水道用水等に利用されています。
1972年に着工、1984年に竣工し栃木県が管理しています。
上は、寺山ダム湖(ダム上流側)です。遠く見える山は高原山です。
下は、寺山ダム(ダム下流側)で、下左手に水力発電施設があります。
塩田ダム
塩田ダムは、那珂川水系簗目川の上流に建設されたダムです。
ダムの形式は、堤高26.1m、堤頂長218m、総貯水量46万㎥のロックフィルダムです。
ダム機能としては、灌漑が目的です。
1977年に着工2000年に竣工し、栃木県で管理しています。
ダム堤体の表面は、石で積み上げたロックフィルダムです。
塩田ダム天端より見た様子で、左にある建物が管理棟と取水塔です。
ダムサイトにある公園には、ソメイヨシノが植えられ素晴らしい光景が見られます。
塩田ダム天端より見た塩田地区の美しい田園風景は、栃木県の田園風景百選に選ばれています。
まとめ
今回は、栃木県矢板市にある鉱泉宿の「赤滝鉱泉」を紹介してみました。
矢板市高原山懐の谷間にひっそりと佇む秘湯とも言うべき山の中のぽつんとした一軒宿です。
中でももっとも歴史が古く、鄙びた宿で春は新緑、秋は真っ赤な紅葉の中でのんびりと過ごせる宿です。
矢板地区には、古い寺院や古い城址公園があります。
古に想いを馳せながら、それらの歴史ある遺跡を探索するのも素晴らしいのではないでしょうか。
高原山に広がるレンゲツツジの群生地や神秘的な滝、それらの素晴らしい自然を家族や親子でキャンプをしながら楽しむ事が出来ます。
また、高原山を水源とする川や湖では、渓流釣りやダム湖である東古屋湖のニジマスやヘラ鮒釣りやダム巡りなど大自然の中に溶け込みながら満喫することが出来ると思います。
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