周囲25km、最大水深163m、栃木県・日光を代表する湖「中禅寺湖」。
約2万年前、男体山の噴火によって出現し、海抜高度1,269mと日本一高い場所にある。
湖畔に建ち並ぶ欧米各国の大使館は、西洋文化の影響が色濃い明治時代から昭和にかけて建てられたもの。
国際避暑地として発展し、四季折々、様々な情景を見せてくれる中禅寺湖ですが、釣り人にとってもまさに憧れの聖地。
日本でここでしか生息しない「レイクトラウト」が釣れる湖でもあるのです。
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目次
2019シーズンから釣友と共にエントリー
釣り人としては、お恥ずかしいことに、生まれも育ちも栃木である筆者は、昨年初めて中禅寺湖にエントリーしました。
もちろん、中禅寺湖でレイクトラウトが狙えるという話しは、以前より聞いていましたが
それまで延べ竿主体の釣りをしていた筆者にとって縁遠い場所であったのも事実で、なかなか足を運べず時間だけが経過。
しかし、昨年友人との間で中禅寺湖が話題となり、僕の中でも「レイクトラウトを釣ってみたい」という強い気持ちに駆られるように。
ちなみに、釣友とは「釣りパラダイス」影の立役者、エクストリームおいたんこと代場正浩氏(@7UiSCdaAXC4g8DB)だ。
(普段は、だいばっちと呼んでいる)
彼とは介護専門学校時代から10年以上の付き合いで、クラスに釣りをする同級生がいない中、釣りという共通の趣味を持ち、フレンドリーな人柄もあってすぐに意気投合してしまった。
それまで延べ竿の釣りで生きてきた僕にとって、ルアーフィッシングの魅力を教えてくれた人物でもある。
2019年はビギナーズラックに恵まれるも…
2020年の中禅寺湖解禁の前に、ちょっとだけ昨年を振り返ろうと思う。
2019年4月6日、僕たちの中禅寺湖釣行は始まった。
初日の中禅寺湖は大荒れで風速15mの風雪、「こんな過酷なの?」と度胆を抜かれた。
手がかじかみ、寒さに堪えながら実釣開始。
釣り方もよくわからないまま、とにかく中禅寺湖で効果的と言われるリフト&フォールの釣りを行った。
ルアーをキャスト、糸フケを取り、フリーフォール。
着底後、1度フリップをして、さらに着底後、2回早まき→テンションフォール→着底→2回早まき→テンションフォール→着底→5回はやまきテンションフォールという「2・2・5」という釣り方を実践。
本来なら、スライドスプーンと呼ばれるロデオクラフトの「M.Tレイクス」で実践すると効果が高い釣法なのですが、このときスライドスプーンを持っていなかった僕は、フォレストの「リアライズ」というスプーンで挑戦。
暴風の中、思ったところへキャストできず、魚からの反応はないまま、時間だけが経過。
午前10時頃だっただろうか、一瞬の風の止み間を狙ってキャストしたルアーが、ブレイクに差し掛かったときだった…
「なんだろう、何か重たい」
手前まで、何も抵抗がなくリーリングが重たい感触だった。しかし、岸近くまでリーリングすると、竿先から首を振る感触が伝わる。
「魚だ!」
一気に戦闘モードに入り、なんと初釣行にして57cmのレイクトラウトをキャッチすることができた。
初めて見る魚体は、黄金に光り、しばし見入ってしまうほど、それはとても美しいレイクトラウトだった。
アタリもわからないまま釣れてしまった、まさにビギナーズラック。
とはいえ、心の底から嬉しかった。
しかし、その後、合計6回ほど中禅寺湖に通うも、小型のレイクトラウトが数匹釣れたのみで、初日を超える魚とは出会うことができなかった。
もちろん、レイクトラウトが釣れただけでもありがたいのだけど、初日のインパクトが大きく、どんどん空回りしていく自分が…
一方、友人のだいばっちは、初日こそ釣れなかったものの、さきほど紹介したブラウンに加えて、確実にM.Tレイクスでのコツを掴み、50オーバー、さらには60オーバーのレイクまでキャッチしていた。
さすが!としか言えないし、初めてのシーズンで、60オーバーまで釣り上げるとは、本当に尊敬してしまう。
その日は、同行していなかったので「おめでとう!」とLINEで交わしたことも鮮明に覚えている。
こうして、僕たちの2019年シーズンは幕を閉じた。
2020年中禅寺湖解禁!初釣行は思い出の4月6日
そして、いよいよ2020シーズンの中禅寺湖が解禁した。
初釣行は、たまたま、だいばっちと予定が合った『4月6日』。
本当にたまたまなのだが、ちょうど1年前に初めて中禅寺湖で釣りをした日が4月6日だった。
偶然の一致に、二人で「確か去年も今日だったよな」と語り合う。
昨年の中禅寺湖を振り返りつつ、大島商店で遊魚券を購入し、そのまま国道側へエントリー。
この日も、昨年ほどではないが強風・高波という状況だった。
いつものポイントで何度もキャストを繰り返すも、二人ともアタリすらない。
寒さに負けて、何度か車内で休憩を挟んだのも覚えている。
余談だが、中禅寺湖は現在でこそ観光地として知られているが、かつては日光山を開いた「勝道上人(しょうどうしょうにん)」という僧侶と弟子達が中禅寺湖を発見したとされ、古くから山岳信仰の場所でもあった。
まさに、中禅寺湖での釣りは修行なのだ。
そう自分に言い聞かせ、キャストを繰り返すも、反応なし。
僕達は、誘惑に負けてしまった(笑)
勝道上人にも伝えたい味、中禅寺湖コタンの名物「ポークソテー」である。
僕は初めてコタンのポークソテーを食べたのだが、それはそれは美味だった。ジューシーで厚切りなお肉が、ソースとのコラボで食欲を倍増させる。
さきほどまでは「本当に釣れるのか」と不安さえよぎっていたのだが、ポークソテーを食べながら友人と思い出話しをしていると、体がポカポカと温まり、再び釣りを再開しようとやる気の炎に包まれたのだった。
そして、この休息がきっかけとなり…
だいばっちに、待望の1匹が。
2020年も無事にレイクトラウトで解禁!
しばらく時間をおいて、僕にも待望のアタリが…
やはり、あの休憩がきっかけとなったのだろう!
なんとか二人とも2020年中禅寺湖解禁を果たすのであった。
レイクもブラウンも、手前のブレイクで突如としてアタッた。
緊急事態宣言解除後の6月再び中禅寺湖へ
昨年は合計7回ほどしか中禅寺湖で釣りをできなかったから、今年はさらに通い詰めようと思っていた矢先…
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が4月16日に僕の住む栃木県も対象に含まれてしまった。
これを受け、だいばっちと予定していた釣行も止むを得ず断念。
こればかりは仕方ないと、自宅待機をしながら、その時を待った。
そして、5月半ば、緊急事態宣言の対象から栃木県が除外されたことを受け、6月20日、再び中禅寺湖へ。
これまで当たり前だった釣りが、そうでなくなったことで、再開できた喜びは非常に大きかった。
正直なところ、釣りをする喜びが高まり「今日は釣れなくてもよし!とにかく楽しもう」という心境だった。
いつもは国道側で釣りをしていた二人だったが、この日は山側からエントリー。
力強い男体山を前に、再び釣りができる喜びが込み上がってくる。
シャローエリアの回遊魚狙いで、朝4時にスタートフィッシング。
僕は珍しくフローティングミノーをキャストし、だいばっちはM.Tレイクスを選択。
しばしキャストし続けるも、アタリはなし。
太陽が昇り、時刻は5時を迎えようとした頃、だいばっちから「キタっ!」という声が。
見ると、グネングネンとした魚体が水面近くに。
慌ててミノーを回収し、彼の元へ。
そして…
それは、とてもかっこいい50オーバーのレイクトラウトだった。
M.Tレイクスを遠投し、手前のブレイク付近でヒットしたらしい。
あまりのかっこ良さに、僕も自分のことのように感動してしまった。
素晴らしい魚体のレイクトラウトを釣ってくれた友人に感謝。
このときばかりは、不思議と「釣られた!悔しい〜」といった感情はなく、自粛期間開けに見れた美しい魚体に、心から喜ばしい気持ちだった。
もちろん、普段は悔しさの極みですよ(笑)
その後、友人に続きたいとの想いから、スライドスプーンにルアーチェンジし、遠投を試みるもアタリはなし。
山側から国道側へ移動し、24gのスプーンを遠投したところ、1度だけレイクらしきアタリがありましたが、ヒットには至らず。
しかし、友人は終了時刻間際に2匹目を追加したのだった。
相変わらず、少ないタイミングを物にする友人はすご過ぎる。
おめでとう!
この日、僕自体はノーフィッシュに終わったのだが、自粛期間開けの中禅寺湖で友人が釣り上げた素晴らしいレイクトラウトを見れたことに、清々しい気持ちで中禅寺湖を後にしたのだった。
レイクに会いたい!思いが実った7月単独釣行
今年2度、中禅寺湖で釣りをしたが、いまだレイクトラウトには出会えていない。
そして、新型コロナウイルス感染者も7月に入り徐々に増えてきている。
「なんとかしてレイクトラウトに会いたい」と思った僕は、岸釣りのベストシーズンは過ぎてしまった7月後半の中禅寺湖へ。
おそらくチャンスは、朝方しかないだろうと考えていたので、よりプレッシャーが少ない山側からエントリーすることに。
今年は、梅雨の期間が長く続き、いまだ梅雨明けの予報は出ていない。
この日も、午後から雨の予報が出ていたので、朝方に気合を入れた。
手前からドン深のポイントで、これまでの釣りで相性の良いゴットハンズ・ライガ24gで釣りをスタート!
後悔したくないという想いから、一番相性の良いこのルアーを選んだ。
この日は、シャローエリアからベイトがピチャピチャと跳ね、20cmほどのニジマスが回遊するなど、期待がもてる雰囲気。
開始第一投、想いを込めてキャストする。
ハンドル3回転の素早いストップ&ゴーで、活性の高いレイクトラウトのリアクションを狙う。
今回あえてショートリーダー、ハイギアリールのセッティングにしたからか、24gを手前までリーリングしても、根がかりはしない。
じっくり丹念に探ること30分。
カウント54秒から、手前のブレイクを引いて来たときだった。
フォール中に、ティップが「ゴン!」と入るアタリが出る。
ついにきた!この時期としては、想定外の足元からのチェイスだった。
水面をバシャバシャと暴れる魚体は、間違いなくレイクトラウトだ。
今年初のレイクを逃したくない、そんな想いで夢中でやりとり。
サイズはあまり大きくはなさそうだが、なにより引きが強い…
そして、ネットインと同時に肩の力が抜けた…
サイズは、45cmあるかないかだと思うが、何よりも嬉しかった…
今年初のレイクトラウトでしたし、昨年新調したHuerco XT711-5Sで釣れた初のレイクトラウトでもあった。
喜びがこみ上げてくる。
嬉しい…
ヒットタイムは、朝4時半。
開始早々のヒットに安堵するも、まだ魚の気配がする。
もう一度、同じ場所へキャスト!
すると、またしても同じ場所でティップが「ゴン!」
ネットイン間際にバラしてしまった魚は、同サイズのレイクトラウトだった。
悔しい…
この後、朝5時頃までアタリが続き、沖でもヒット!
またしてもネットイン間際でバラしてしまったが、同サイズのレイクトラウトだった。
結果的には、3バイト1キャッチと自分の腕のなさを実感したが、なんとか今年初レイクに出会えたことに大満足の1日だった。
次回の新たな課題も見つかり、この日の釣りは午前中で終了した。
中禅寺湖で使用したタックル
ロッド:Huerco(フエルコ) XT711-5S
ロッドは、昨年新調した「Huerco(フエルコ) XT711-5S」。
5ピースのパックロッドで、持ち運びが便利なだけでなく、中禅寺湖のようなリフト&フォールの釣りでティップが負けない。
規定の30gまで遠投してみましたが、非常にシャキッとしています。
以前は、湖用にトラウトロッドを使用していたのですが、重いスライドスプーンでリフト&フォールをすると、ティップが入り込み過ぎてしまい前腕部が非常に疲れました。
XT711-5Sなら、1日中スライドスプーンで釣りをしても、最小限の疲労で済み、釣りに集中できます。
またシャキッとしてはいますが、魚がかかると大きさに応じて綺麗に曲がり、柔軟にいなしてくれます。
7ft11inchと中禅寺湖のような湖では、一見短いのではと感じるかもしれませんが、遠投性能も抜群ですし、ブッシュの下など少々立ち位置が制限されるポイントでも、取り回しの良さがカバーしてくれオススメ。
リール:SHIMANO(シマノ)アルテグラ C3000HG
リールは、「シマノ アルテグラC3000HG」です。
僕が使用しているモデルは、過去モデルなのですが、コスパが良くハンドル1回転88cmの巻上ができるため、次にご紹介するゴッドハンズ・ライガでのストップ&ゴーが非常に相性が良いのではと感じています。
中禅寺湖のように魚とのファイト中に大きな岩に巻かれやすい状況でも、活躍してくれると思います。
ルアー①:GOD HANDS(ゴットハンズ) RAiGA(ライガ)CW
中禅寺湖では、M.Tレイクスのようなスライドスプーンが鉄板ではありますが、僕の腕が悪いせいか、M.Tレイクスでの釣りが正直なところ苦手です。
いまだ、感覚が掴めていないので、今後さらなる練習が必要です。
一方でそんな僕でも、中禅寺湖で活躍してくれているのが「ライガ」。
基本的にはストップ&ゴーの釣りで、すごく良く反応してくれます。
重さは、シーズン初期には14gや18gを使用し、沖への遠投が必要な場面では24gを使い分けています。
ルアー②:Rodiocraft(ロデオクラフト) M.Tレイクス
6月の中禅寺湖釣行で50アップのレイクトラウトを釣った際に、友人が使用していたルアー。
鉄板のM.Tレイクスの中でも、友人の使用率が高いチョイスです。
PEライン:SUNLINE(サンライン) シグロン PE×4 200m
マーカー付きのPEラインで、中禅寺湖のように根がかりリスクの高い釣りで活躍してくれます。
あと何mで回収すれば良いかの目安がわかり、ルアーロストのリスクを軽減できるかなと思い、多用しています。
特に不便に感じることもなく、使い続けています。
リーダー:YAMATOYO(ヤマトヨテグス) リーダー 12lb 30m
コンパクトに収納できるため、持ち運びが便利で、こちらの12lbを使用しています。
使い勝手が良いので、特に不便さは感じていません。
エア抜き針
中禅寺湖で、深い場所から魚を釣ると、浮き袋が膨らんだ状態でランディングすることもあります。
浮き袋が膨らんで戻らない状態のままリリースしてしまうと、元の深みに帰ることができず、表面温度が高い水温で、魚が死んでしまいます。
もちろん、魚がヒットしたらスローリーリングして、浮き袋を膨らませないでやりとりできれば良いのですが、万が一膨らんでしまった場合には、エア抜き針を持参すると良いと思います。
トラウトのエア抜きについては、賛否両論あるかもしれませんが、以下の動画でHuerco(フエルコ)アンバサダーの「ショータ・ジェンキンス(@konno_shota)」さんが解説してくれています。
また今回使用した「Huerco XT711-5S」など製品に関する動画や、中禅寺湖でのビッグベイトゲームを追った動画もアップされていますので、ぜひ参考にしてください!
参考元:Jenkins Channel公式YouTubeより
第一精工 カラビナキッター
中禅寺湖では、スライドスプーンによるリフト&フォールを多用する方が多いと思います。
どうしても底を意識した釣りを展開すると、根がかりは付きものです。
とはいえ、できるだけ環境を汚さずに釣りをしたいもの。
こちらのカラビナキッターは、僕も愛用していますが、根がかりがどうしても外れない場合の最終手段として使用しています。
カラビナ状だから持ち運びやすく、根がかりしたラインを巻き付けることで、可能な限り、水中にラインを残すことなく処理できます。
また、巻きつけたラインを水平に引っ張ることで、根がかり自体が外れることも多いです。
1つ持っておいて損はないので、揃えておきましょう!
まとめ:2020年中禅寺湖はまだまだ終わらない
今回、無事に2020年中禅寺湖初レイクを友人と共にキャッチすることができました。
コロナウイルスの影響で、途中自粛を余儀なくされることもありましたが、改めて釣りができる喜びを感じています。
この記事を執筆しているのは7月下旬、そろそろ梅雨も明け、真夏に突入すると、レイクトラウトを狙うのは厳しい状況。
とはいえ、「中禅寺湖をもっと知りたい」「レイクトラウトをさらに知りたい」という気持ちが強く、おそらく8月も通う予定です。
年間を通して、中禅寺湖の釣り場がどのような顔を見せるのか、自分の目で確かめてこようと思います。
ぜひ、この記事を通して少しでも中禅寺湖の魅力、レイクトラウトの魅力が伝われば幸いです。
▼2021年中禅寺湖開幕の様子はこちら